「ナチス黄金列車」を聞いたことはありますか。ヒットラーに略奪された財宝。それらをナチスが隠し積んだ列車がヨーロッパのどこかに埋まっている、と今も噂されています。第2次世界大戦の都市伝説として知られているのですが、実存在していたもの。その闇の真実を知る、生きた証人にお話を伺うことができました。 人類最悪の差別と略奪の歴史
ファヒデ・エーヴァさん ( 94歳 ) ホロコーストを生き延びた方。ハンガリーで生まれ育ったユダヤ人です。
財宝についてお伺いする前に、エーヴァさんご自身が体験された壮絶な過去をお話しいただきました。 ハンガリーの一般家庭で生まれた彼女。ただ違ったのは、ユダヤ人であったということだけでした。両親や妹さんと幸せに暮らしていました。しかし、ヒトラーの恐怖が近づき、一家は闇へと引きずられていったのです。
ホロコーストへ行くまで、そこで目の当たりにした想像を絶する環境。耳を覆いたくなるような、人間がすることなのかと悲しみにくれてしまうような、悲しいお話を伺いました。 その中で、今回の取材テーマでもある「黄金列車」、ハンガリー語では aranyvonat ( 金の列車 ) にも触れました。
略奪により得た財産を積んだ列車。いくつかの列車は既に見つかっていますが、まだ行方不明のものも。 実際に、エーヴァさん一家もナチスにより家具や貴金属を奪われました。しかし、そこで驚いたのは、返却を暗示するように財産と所有者の名前を記させていたこと。
返すつもりなどなかったはず。でも、これを見て、ユダヤ人たちは「いずれ返ってくる、今を絶え忍べば」と提出していたのです。 エーヴァさんのご家族は、ごくごく普通だったそう。
またご両親は、つつましやかに生きることを美徳としていたので、贅沢品はあまり持っていなかったといいます。 しかし、高価なものを出さないと、隠していると疑われてしまうため、彼女の父は、わざわざ宝石を買いに行ったのだとか。
結局、それらは戻ることはなく、家族もホロコースで煙となってしまったのです。
なぜ人々は、最悪の差別と略奪を黙認したのでしょうか?人間の欲望の闇、闇の裏に隠された実話に迫ります。
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